目的変更

会社の事業目的は定款の絶対的記載事項であり、設立の際には当面の目的と将来予想される会社の事業も含めて定款に記載することが可能です。
ですが、事業を続けていくなかで、年数が経ちますと諸事情より会社の事業目的の追加等が必要になってくることも多々あります。
そのような場合に、会社の事業目的を変更、追加することを「目的変更」といいます。
なかには事業目的に記載がないと許認可が受けられないような業種もありますので、ご注意下さい。

会社目的の定め方

1. 会社の目的とは、会社が営もうとする事業(事業目的)のことです。

定款に記載する会社の目的は、取引社会の通念に照らして、会社の事業内容が何であるかを知り得る程度に、具体的に記載しなければならないとされています。
一般的な業種であれば、当事務所の方で、わかりやすく記載することも致します。

2. 目的は1つでも構いませんが、多めに記載しておき、柔軟に幅広く事業を行えるようにしておいた方が良いことが多いようです。

将来行う予定がある事業であれば、当面は行う予定がなくても目的に記載しておくことは構わないので、何度も登記をするくらいなら、1度にまとめてやってしまうことをお薦めしています。

3. 具体的な業種を複数掲げ、その末尾に「前各号に付帯する一切の事業」と掲載すると、ある程度解釈の範囲が広がります。

4. 実務的には、会社の目的の適格事例集を参考にして、会社目的を決めます。

適格事例集に記載されている目的は法務局で認められます。
一方、自分で考え出した単語や言い回しを含む目的は、なかなか認めてもらえないのが実情です。
そのような時こそ、司法書士をうまく活用して、時間の節約をしましょう。

事業目的変更の注意点

事業目的の数に注意

株式会社が定款に規定する事業目的に、数の制限はございません。短期的に始める事業、将来的に行う事業も定款に記載することが可能です。
ただ、数に限りがないと言っても、30個も40個も目的を羅列することはお勧めできません。
会社の事業目的は、一般の方、取引先、金融機関、誰でも閲覧が可能です。数が多すぎたり、多種多様な事業目的が支離滅裂に並んでいたりすると、信用を落とす可能性もあるため、その点には注意が必要です。

許認可に注意

追加・変更する事業目的が許認可業種の場合、事前に管轄の役所にどのような文言であれば許認可申請が行えるか の確認を取っておきましょう。

記載方法・文言に注意

新会社法施行後、目的の記載方法については、具体性は問われなくなりましたが、依然として明確性・営利性・適 法性の要件を満たす必要があります。
あまりにも目新しい言葉や表現は、登記官によって否認される場合がありますので、注意しましょう。誰がみても、 事業内容が明確である記載方法が望ましいといえます。